『銀行員が顧客には勧めないけど家族に勧める資産運用術』高橋忠寛著

「おいおい、こんな金融商品、本当に販売してよいのか?これは少なくとも自分の家族には勧められないな・・・・」

そう思いながらも、ノルマに追われてせっせと働いている銀行の営業担当がたくさんいます。

本書では、そんな銀行員のホンネと、本当上手な資産運用の方法についてやさしく教えます!

かなりインパクトのあるタイトルです。銀行員といえばお金のプロフェッショナル。

自分の資産を預けてどう運用していくのかを親身に相談に乗ってもらう仕事です。

そんな銀行員が顧客に勧めないで、自分の身内である家族に勧める資産運用術ってどういう方法なんだろう?

逆に、顧客に勧めてる資産運用術は、自分の家族には勧められないの?
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自分の銀行員としての経験をふまえて書かれた本

著者の高橋忠寛さんは、10年間銀行員(三菱UFJ銀行、シティバンク銀行)を経験した後、2014年に独立されて、現在は株式会社リンクマネーコンサルティングという会社の代表をされています。

銀行と個人の情報格差はとても大きなもので、無知につけ込んで商品を販売しているとしか思えないような商品や販売手法をたくさん見てきました。

そうした結果、中身もよくわからないコスト負担ばかり大きい投資信託を買わされたり、コストが割高で非効率は保険商品を使った資産運用をさせられたりといったことが起こっているのです。

世の中に流れている投資や金融商品に関する情報の大半は、金融商品の売り手側から発信されているものだったり、セールスサイドのバイアスがかかっているものだったりするのです。

高橋さんが代表をつとめる株式会社リンクマネーコンサルティングのホームページに記載されているアドバイス方針を見ると、過去の銀行員時代の経験をふまえて、正々堂々とお客様の資産運用のために中立の立場でアドバイスをして、その対価として報酬をもらう、という方針です。

出典:㈱リンクマネーコンサルティング

出典:㈱リンクマネーコンサルティング

この本を読んで改めて思いましたが、こういった金融商品の販売には一切関わらないで、完全に独立した立場で資産運用などのアドバイスをしてくれる方が信頼できますよね。
銀行や保険相談窓口などで無料で相談できますが、ある金融商品のバイアスがかかった商品に投資して損するよりは、多少お金を払ってもそれ以上にプラスになる金融商品に投資できた方がメリットがあります。

こういった中立の立場のアドバイザーとして相談料をもらって食べていけてるファイナンシャルプランナーの方は少ないそうです。相談料だけで食べていけないファイナンシャルプランナーは、結局、保険代理店や金融商品仲介業者として手数料商品を販売して、相談料に加えて保険販売手数料や投資信託の販売手数料、さらに運用管理報酬などで稼いでるのです。
日本ではまだファイナンシャルプランナーのアドバイスに対して報酬を払うという事が定着していないようですが、金融先進国のイギリスやアメリカではアドバイスに対する報酬へ移行しているそうです。つまり、金融商品を販売することによる一定率の手数料を受け取るコミッションベースではなく、アドバイスの対象となる資産額に対して一定率の報酬を受け取るフィーベースへ移行しているのです。
たしかに投資する側からしても、資産額が増えたらその結果に対して報酬を払う方が納得感もありますし、相談する側もされる側もWin-Winなのでビジネスとして成り立ちます。
日本でも今後どんどん普及して定着していってほしいですね。

銀行員のアドバイスどおりに資産運用すると絶対にうまくいきません

この本は、序章・終章と本編6章の構成になっていますが、第1章のタイトルが『銀行員のアドバイスどおりに資産運用すると絶対にうまくいきません』なんです。

かなりぶっこんだタイトルです(笑)

独立したあとでも、元々務めてた銀行の方とも付き合いがあると思うんですが、大丈夫なのでしょうか(笑)

金融機関の営業担当者は、資産運用のプロでもなければ、資産運用のコンサルタントでもなく、たんなる金融商品の売り手(営業員)であることを、まずは理解しましょう。

銀行サイド(売り手側)の裏事情が色々と書かれています。この本を読む前と後では、銀行に行って金融商品を紹介された時の対応は大きく変わると思います。

銀行は顧客の資産状況をばっちり把握しているわけですから、その資産状況に応じて一番銀行が儲かる金融商品を的確に紹介できるわけですから、こういった裏事情を知らないで金融商品を言われるがままに購入させられると思うと結構怖いですね。

キャンペーンがお得だという罠に注意

金融機関は営利企業ですから、自分たちにとって損になることは絶対にやりません。キャンペーンなどで手数料を優遇しても、それをほかの収益で十分にカバーできると思うからキャンペーンを仕掛けているのです。

「期間限定のキャンペーン中で、今ならたいへんお得です!」なんて言葉につられ、金融商品を買ってしまうことにも注意が必要です。一時的な割引だけで、トータルで見ると結局損をすることもあり得ます。主催者の思うツボにハマらないよう、見極める力が必要です。

売れている商品なら安心という罠に注意

どれを買うか迷って、人気ランキングや売れているランキングを参考にして買うがある人は注意が必要です。

そのランキングは顧客の自由な選択でできたものではなく、金融機関がお客様に売りたい商品を売った結果、出来上がったランキングだからです。

人気ランキングの上位商品なら、みんな買ってるから安心だという「みんなと同じ行動をとること」が必ずしも正解ではないという事も注意するポイントですね。

銀行の批判だけじゃなく、資産運用のキホンを学べる

銀行の裏事情的な要素も多く書かれていますが、全編を通して資産運用をする上での基本的な考え方が書かれていて、資産運用のキホンを学ぶ上では参考になる点も多いです。

銀行などの金融機関や保険相談窓口で言われるがままの金融商品に手を出している人は、一度読んでみても遅くはないかと思います。

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