会社員の方であれば、老後資金を考えると退職金が出るか出ないかは大きな違いがあります。
自分の老後資金のシミュレーションをする上で、自分の会社でそもそも退職金が貰えるのかどうかを把握していないのは大きな問題です。
私もサラリーマンなので、自分が勤めている会社で退職金が出るかどうかは把握しています。
たまたま一緒に飲んでいた異業種の知人と退職金の話になったのですが、「自分の会社は退職金は出ない」という人や、「退職金制度があるのかよくわからない」という発言を聞いてびっくりしました。
会社員であれば、金額の大小はあるにしても退職金がでるのが当たり前だと思ってましたが、実態は違うようなので、調べてみました。
そもそも退職金制度は絶対じゃない
退職金制度は、企業であれば必ず支払わなければならないという制度ではありません。むしろ年功序列で1企業だけで定年を迎えるという過去のスタイルとは異なり、転職することが特別なことではない今のご時世であれば退職金という制度ではなくて月々の給料を高く設定している会社の方がむしろ良いのではないかという見方もあります。
退職金は月々の給料とは別という訳ではなく、月々少しずつ積み立てて退職金として後払いするようなイメージです。ですので、例えば会社が倒産するリスクを考えても、退職金制度ではない方が利口なのかもしれません。
とは言っても、理想的には月々の給料も高くて、退職金もしっかり貰えるというのが理想ですよね。
では月々の給料は一旦置いておいて、退職金制度だけにフォーカスするとどれぐらいの企業が退職金制度を導入しているのでしょうか?
全体の80%の企業で退職金制度がある
厚生労働省の平成30年調査によると、全産業で退職金制度がある企業の割合は全体の80.5%でした。5年前の平成25年の調査では、75.5%だったので、実は退職金制度を採用する企業は増えています。
企業規模が小さくなると退職金制度が無い企業が増える
全体では80.5%ですが、企業規模別に見ると差があります。
1000人以上の企業だと92.3%で退職金制度がありますが、規模が小さくなると徐々に割合は減っていき、100人未満(30人〜99人)だと77.6%になります。
産業別でも退職金制度に差異あり
産業別でも、退職金制度に差があります。複合サービス業、鉱業・採石業・砂利採取業、電気・ガス・熱供給・水道業が90%を超えているのに対して、サービス業(他に分類されないもの)が68.6%、生活関連サービス業・娯楽業が65.3%、宿泊業・飲食サービス業は59.7%という低さです。
ちなみに、平成25年の調査で最下位だった医療・福祉(50.1%)は、平成30年の調査では87.3%に劇的に改善しています。
まとめ
企業規模や産業別に退職金制度がどれぐらい採用されているのかを見てみました。結構差がありますね。
例えば、採用率が低い宿泊業や飲食サービス業の仕事をずっとしている人だと、「退職金なんて無いのが当たり前」と思ってる人もいるかもしれません。
退職金が出ない代わりに、月々の給料やボーナスで補填できれば良いのですが、そんなに都合がよいケースばかりではないのが実態です。
転職を考えている方や、これから就職活動する方は、退職金という視点で業界や企業を見てみるのも参考になるかもしれませんね。